以前は、会社の保険というと、節税対策のために使われる、というイメージが強くありましたが、近年は、法律も変わり、節税のための保険というイメージは、以前より薄れていきているかとおもいます。では、会社にとって本当に必要な保険とは何なのでしょうか?私は、やはり、リスクへの安全対策として使うことが、一番大事なことだとおもいます。私が、経営再建のお手伝いをさせていただいたところは、調べたところ、保険の入り方がバラバラで、良くわからないことになっていました。そのため、丁寧にまとめていったところ、もしそのリスクが現実のものとなった場合、会社が存続することができない程の事態になってしまうようなことに、保険を掛けていなかったことが判明しました。
実は、それから間もなく会社が火事で燃えてしまい、建物と機械や工具、商品が全て使えなくなってしまいました。この件は、放火の疑いがあったのですが、何もかも燃えてしまったために、証拠が残らず解決することができませんでした。警察の方が言われたことは、人が死ななければ、長い時間を掛けて調査することができないということでした。しかしながら、火災保険に、会社の規模に見合った形で、入っていないことが判明したとき、すぐに入り直していたお蔭で、保険から火事の損失を賄うことができ、窮地を脱することができました。保険会社さんも、当初は、被害が大きいことを、正確に把握できていなかったために、本当の損害金額を算定することが、上手くできなかったようです。そのため、それを補償してもらえるまで、証拠の書類を沢山作ったりして、交渉をしなければならなかったことが、とても大変であったとことが、今でも覚えています。もし、社員の方等が、火事に巻き込まれていたら、労働災害保険も必要になるところでした。
もしかしたら、このような被害にあわれたご経験がないと、保険はただ高いから無駄だ、とおもってしまうかもしれません。しかしながら、どこの会社さんでも、起こる可能性は、平等にあるということを、忘れないでいただければ、とても有難くおもいます。参考に、私が必要だとおもい、主に契約したリスク対策の保険は、以下になります。
1、火災保険(建物、商品、什器備品等)-高いですが、満額まで掛けておいたほうが良いとおもいます。
2、自動車任意保険―10台以上所有している場合は、フリート契約というものにするとお得になります。
3、賠償責任保険―業務内容に合わせて色々ありますが、1つでは、全てを賄えないので数種類を契約しました。
4、労働災害保険―役員、従業員、協力会社さんに対しても払えるものが良いとおもいます。