下請け・孫請けのままで良いのか?

 私が、経営の立て直しに関わらせていただいた会社は、その当時、下請け、孫請けの仕事が99%以上の比率でした。得意先は、法人が99%以上を占めていました。長年の付き合いをさせていただいていた、得意先の受注単価が、毎年じわじわと下がっていき、売上が減少し、相当の借入金と赤字に陥っていました。現実には、下請け、孫請けでも十分に収益が得られている会社は、それなりに存在しています。しかしながら、そうでない会社はとても苦しい状態に陥ってしまっているかとおもいます。もし下請けが嫌で脱却したいのであれば、それは可能です。私のいたところは、元請けになるためには、技術力が高い方が必要でした。しかし、小さい無名の会社が、そのような人材を確保することは、とうてい難しいことでした。そのため、対策として行ったことは、元請けで仕事をしている会社にお願いをして、元請けで受注したときは、一緒に手伝ってもらうということで、仕事を拡大していきました。このことは、他にもメリットがありました。それは、元請けの方たちと一緒に仕事をさせていただくことで、自社の中にも、そのノウハウを吸収することができ、成長することができたため、とても有り難いことでした。
 では実際に、下請け、孫請けの会社が、元請けの仕事をどのように受注したのかといいますと、私の場合は、元々してきた既存の分野と全く別のことをするのではなく、関係性のある付帯している分野を、少しずつ拡大していきました。実は、少し視点を変えるだけで、元請けになれたり下請けでも利益が増えるような場所が、結構広がっていることがあります。もし困っている方がいらしたら、少し距離をおいて周りを見渡してみてください。きっと何か良いきっかけがあるかとおもいます。