もし今、経営難で苦しんでいらっしゃる小さな会社の経営者の方がいらっしゃいましたら、以下のことを参考になさってみてください。
目次
1.借入金の精査
多くの小さな会社は、金融機関からの融資で会社の運営を行っているかとおもいます。私が経営に関わらせていただいた会社もそうでしたが、経営が厳しくなっている会社は、何度も借入を繰り返すうちに借入額が膨らみ、月々の借入金の返済額が多額になり、更に財政が圧迫されてきてます。もし、このような状態になってしまっているときは、まず金融機関と相談してください。現時点で通常事業資金は最大10年間の返済が可能であるので、10年を切っているもので10年返済への組み換えが可能なものについては、まとめて月額の返済が今より少なくなるようであれば、組み直してみてください。
2.消費税の未払い
税金については、通常は会社が倒産しても、一番優先の債務として残ってしまいます。消費税についても、滞納をしてしまうと色々なところに良くない情報が流れてしまうことがあります。できるなら、運転資金を使って滞納は避けたいところですが、どうしても難しい場合は、分割支払いという方法があるので、税務署に相談してみてください。
3.財務の精査
事業年数が長い会社様だと、会計上は資産が沢山ある状態になっていても、現実にはほとんどない状態の場合が見受けられます。その原因は色々考えられますが、このような状態になっていないか会計の中身をよく調べてみてください。他にも経理の処理の仕方の間違え等で、違う勘定科目に処理をされてしまっていたり、売上の計上が抜けてしまっていたりということが良く起こります。会計の中身を精査したとき、なんとなくご自分の感覚と違うとおもったときは、本当に違う場合とご自分の感覚がずれていたときと両方あり得ますので、そのような時は、うやむやにしないで必ず事実を確認してみてください。また、会社の財務の全体像を把握できると、具体的にどのように対策をたてれば良いか、見えやすくなってくるとおもいます。
4.事業内容の精査
もし現時点で優先順位の低いものや、今後成長が見込めない事業については、色々なおもいもあるかもしれませんが、会社を存続させるためには撤退することが大事な場合もありますので、是非検討してみてください。
5.無駄の削減
多くの会社さまは、既に無駄なことを削減されている場合が多いとおもいます。しかしながら、もしまだ無駄の見直しをされていない会社さまは、相当の効果を実現できる可能性もあるので、是非取り組んでみてください。もし、もう実践されているという会社さまも、もう一度できることはないか、確認してみてください。
6.事業の方向性を考える
私もそうでしたが、運転資金が余り残っていないときは、既存の事業やその付帯事業の中で利益率が高いものに力を入れた方が、厳しい状況を切り抜けられる可能性が高まるとおもいます。しかしながら、利益率が高いものだけでは難しい場合が多いので、通常の利益のものも続けられたほうが良いかもしれません。また、やると決めた事業について、粘り強く仮説や検証の結果に対して改善していくという、試行錯誤を続けていくことがとても大事になってくるとおもいます。
7.従業員への開示
従業員は巻き込みたくないと考える経営者の方は多いとおもいますが、経営が厳しいときに本当のことを打ち明けたほうが、会社のひとたちが一つの方向にまとまり、上手く進む場合もあります。また、こんなときだからこそ、従業員のかた一人ひとりの本音がわかる良い機会だともおもいます。
まとめ
ここに書いたことは、ごくあたり前のことかもしれませんが、基本を日々大切にしていくことが、経営を立て直すためには、とても重要なことであると、私自身は感じています。今とてもお辛い状況にある会社の経営者の方が、この危機を上手く乗り越えられることを祈っております。